夜遊び無限(七話)

私の名はアクセスバスター。
マカオは、香港に隣接するポルトガル領の小島である。ばくちが出来るので通いつめる日本人も多い。香港からは24時間船が出ている。台風でもない限り、朝、7時の船に乗ればなんとか9時には会社に出社出来るので金曜日の夜中から、土曜日一日中、日曜日も頑張って月曜日の朝までに50万ドル(800万円)すった奴を知っているが、これを読んでいるあなた信じられないと思うであろう。

 

ところがね、賭場に行くと、急に妙な雰囲気で、お金をぼんぼんほうり投げたくなってしまうから不思議である。「ばくち」といえば「酒」、次は「女」である。一説によると、ロシア娘が濃厚なサービスしてくれるとのうわさもあるが、今夜は、マカオでタイの女性のウルトラサービスに毎週通いつめているJ氏の話。

 

J氏は小室哲也をさらに細くした感じのやさ男で、T大学(灯台ではない)出身で、180cmこれがまた、美人の奥様をめとっているのである。本当かどうか定かではないが、奥様はあまり夜の生活に興味がないようで、その為にマカオのタイ女性のお世話になっているらしい。そんな事はどうでも良いのであるが、このJ氏は、何と必ず時間をおいて二人以上の方と交わり、来週の再開を約束して涙乍らに乗船するのが毎週のパターンである。

 

彼が好んで、出没するのは、ダーリンとダーリン2、二つとも置き屋みたいなものである。ダーリンには、「23号」ダーリン2には「32号」とお気に入りがいるのである。ここら編で、懸命なる読者諸君なにか起こるなと期待していることであろう。期待を裏切らないのが、アクセスバスターである。そうなのである、最初の店で、23号を選び、事をすませ、腰をひねり、次の店で32号を探すも彼女が見当たらない!普通の客ならばここで他のお相手を指名するのであるがなんといってもT大卒のブランドがこれを許さない。マネージャーを呼んで、「32号がいないのはいかなる理由か?」とこれまたキングスイングリッシュで聞く。マネージャーも聞かれれば、「ではお客様はこちらでお待ちください」と部屋に案内し、オフィスに戻るや否やあの客はきっとダーリン1号店と勘違いしているに違いない。と、電話で、32号を探すのであるが、マカオのマネージャーは通常数字に弱い。32号と23号を間違えて伝えてしまい、結局、本日一番最初のお相手である23号を呼んでしまう事とあいなったのである。マネージャーは胸を張りながら「イヤーお客さんさすが面食い!」と23号を部屋に連れて行く。

 

「ん!」「あれ!」

 

この状況はいかなる天才でも文章では表すことはできない。しかし、さすが商売人「あんた、会えてうれしいよ!」とタイのおねーちゃんがJ氏に飛びつけば、「俺ももう一発やってから帰りたくなったんだ!」でその日2度目を終えて、香港に戻ったのである。クタクタの彼に、こんな日に限って、珍しく美人の女房が擦り寄ってきて、「おねがい!」となり、この日の三発目を自宅で決めたT大卒の秀才の脳裏をかすめたのは、果たして、タイ女の濃厚なサービスか、はたまた、美人奥さんのサービスだったのか、やり損ねた32号の面影だったのか、定かではない。

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